すっきり寝たいだけだけど

ついさっきの話。

寝床に潜り込んだものの、全く寝つけないまま一時間が経ってしまった。
「寝たい」という欲求はあるが、身体に熱が籠って眠れない。
明日も仕事あるからこのまま眠れないのはマズいな、とりあえずこの熱を冷まそう……と思い切って夜の散歩に出かけることにした。

外に出たら空気が少しひんやりとしていて気持ちよく「正解ルートじゃん」とこの時点では確信していた。
そこまで明るい夜では無かったので、街灯の多い国道沿いを選んで30分程度歩く。
何となく空を見上げたら、夜でも薄く曇っているのが分かって、春だなあ、と能天気なことを考えてしまった。
花粉さえ飛んでなければ最高の季節なんだよな、春。

良い感じで身体も冷えてきたので、そろそろ帰ろうかな、と思った時に嫌なものを発見してしまった。
読んでくれた人を不快な気分にさせたくないので、オブラートに包んだ言い方をすると、猫が「かなり近くで見ないと全く猫に見えない状態」で国道に横たわっていた。
「正解ルートじゃないじゃん」と思い、ダッシュで帰ろうとしたが、このまま帰っても絶対この猫を思い出して憂鬱になるだろう。
さて、どうしたものか……
僕の出した結論は「見つけたんだから仕方ない」「なんとかベストを尽くそう」だった。
全てはすがすがしい眠りのために。

全然関係ない話だが、小説家のチャールス・ディケンズは、自宅の木部に気に入らない部分を何とか隠すために「ハンザードのすがすがしい眠りのためのガイド」という架空の本を作って並べたらしい。
壁紙貼るとか他にも方法はあるはずなのに、小説家があえてこの方法を選んだってのが、狂気と洒脱が半々でブレンドされている感があって、僕はこの話がめちゃくちゃ好きだ。
あと、多分このエピソードってある意味「ない本」のはしりだよなあ、とも思っている。

それはさておき

とりあえず「道路 猫 死んでる」でググってみた。
おや、オブラートは? 

car-me.jp

どうやら「道路緊急ダイヤル(#9910)」というものがあるらしく、ここに連絡すればちゃんと道路の管理者へ連絡してくれるらしい。
しかも通話は無料、受付は24時間。
国土交通省地方整備局とかいう神組織。

さっそく連絡して「あの猫を頼みます」とお願いし、手を合わせて帰ってきた。
お疲れ様でした、猫さん。
安らかに眠ってくれ。
僕も寝たい。